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2012年6月 7日 (木)

盆栽を科学する(土編その2)

赤玉土が盆栽の基本用土なのは説明しましたが、自然界では赤玉土は存在はしてません。ではなぜそのようになったのでしょう?

盆栽の本によると「畑の土や庭の土は使わない」とありますが、実は畑の土はしっかり「団粒構造」だったりします。さらに、実際に草木が生えている森や林の土も「使わない」と本には書いてあります。でも立派に植物生えてますよね?

ここで立ちはだかるのが、「草木が育つ環境」そのものです。簡単にいうと、盆栽は「鉢の中」でしか草木を育てられないということです。土そのものの「絶対量が足りない」のです。

自然界では土は四方八方、深さもほぼ無限といっていいでしょう。根は何百メートルも張るわけじゃありませんから十二分に足りるということです。ですから10メートルを超える巨木もあるわけです。それに比べて盆栽は、言い方を変えると「樹が大きく育たないように抑制する」わけですから、同じ樹でも同じ土では都合が悪いと言えましょう。

育ち方(育て方)も根本的に違います。実生を森に採りにいくと解りますが、まずは「直根」を下に向かって深く張っていきます。地上に出ている分下に伸びているといってもいいでしょう。ヨットの船底のバランサーみたいに。したがって地上部が20センチなら直根も20センチ地下みたいな。これでは鉢では育てられません。実際鉢では行き場を失った根が鉢底の穴から出たり、鉢に沿って巻いて行ったりします。

では盆栽ではどうするのか?盆栽は生育を「抑制」しますから、大きく育てたくなければ「根も深く大きくしない」に限ります。だからと言ってただ切っちゃえばいいというわけではありません。「根」は草木の命の根源ですから。そこで直根の代わりになるよう根をコントロールするのが盆栽そのものであり「土」なのです。

直根が都合悪いなら、それに代わるようにしますが、木を固定するのは鉢に針金やひもで縛れば固定できます。水や酸素、栄養を取り入れるのは「小根」と呼ぶいわゆる「横根」を発達させることで補います。この「小根」を具合よく伸ばすのに実は「赤玉土」が都合が良かったというわけです。

赤玉土は赤土を乾燥させたのち篩に掛けたものですから、「粒の大きさが揃う」のが利点です。根の太さにや鉢の大きさに合わせられるということです。粒が揃ってますから水はけも良く、隙間があるので根や空気が通りやすいと言えます。根が伸びやすいということは、樹を大きくしたくないので根を切ってもまた根がすぐ伸びるともいえましょう。

もちろん草木の違いで、赤玉土だけでは都合の悪い場合もあります。乾燥好きだったり、逆に水を好んだり。中にはPH(水素イオン濃度)に敏感な草木もありますから、その都度別のものを混ぜて使います。総じて言えるのは、「鉢の中に疑似自然を作る」わけですから、自然界そのものをそっくりコピーできるわけでは無いということです。

盆栽は、人による「まめな手入れ」が必要なのは土一つとっても良く解りますね。happy01

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